大腸ポリープ切除

大腸ポリープとは

大腸ポリープとはポリープは粘膜の細胞が施錠の形態と異なり育った小さな隆起です。大腸がんのほとんどは、大腸ポリープから発生するため、ポリープのうちに切除することで将来の大腸がん発生の予防につながります。大腸ポリープは、内視鏡検査時に日帰り手術で切除可能です。

大腸ポリープの種類

大腸ポリープは、組織構造によって腫瘍性と非腫瘍性の2種類に大きく分けられ、さらにいくつかのタイプに分けられています。どのポリープも自覚症状はほとんどありませんが、肥大化した場合には便が通過する際に出血して血便などの症状を表すこともあります。形状はさまざまで、イボのように隆起しているもの、キノコのように茎のあるもの、ほとんど隆起していないものなどがあります。

腺腫性ポリープ 大腸ポリープでは、この腺腫性ポリープが大多数を占めており、一番多くみられるポリープです。良性腫瘍ですが、放置しているとサイズが大きくなってがんを発生する可能性が高いので、前がん病変とも呼ばれます。発見したら通常直径5mm以上のポリープは切除することが大腸がん予防になります。
過形成性ポリープ 良性のポリープです。ただし、がん化する可能性がゼロというわけではありませんので、条件によっては切除が必要です。特に右側結腸で6mm以上の大きさになってしまうとがん化のリスクがあるため、その前に切除することが重要です。
炎症性ポリープ 炎症性の大腸疾患になった時にできるポリープです。がん化する可能性は低いですが、炎症が続くと身体への負担が蓄積します。潰瘍性大腸炎やクローン病など慢性的な疾患や感染症の可能性がありますので、炎症を起こしている原因となっている病気により適切な治療が必要です。
若年性ポリープ 単発性ポリープではがん化することはありませんが、多発性では20%程度ががん化するとされています。小児に多くみられるためこの名称となっていますが、成人の発症も珍しくありません。

大腸ポリープの切除

大腸ポリープの切除大腸内視鏡検査は、肛門からスコープを挿入して大腸の一番奥である盲腸まで進ませ、少しずつ引き抜きながら観察する検査です。途中でポリープを発見して切除が必要な場合はその場で切除を行います。検査中に内視鏡を用いた切除の日帰り手術を行うことになりますが、治療はこれで終了し、検査後はそのままご帰宅いただけます。改めて別日に手術スケジュールを作る必要がなく、事前の下剤服用なども1回ですみますので、時間的・経済的にも負担が少なくなっています。形状などに適した切除を行いますが所要時間は5~10分程度で、痛みなどはありません。なお、発見したポリープの数が多い、サイズが大きい場合など、検査中の切除ができないケースもあります。その場合には大学病院など入院設備のある医療機関をご紹介いたします。

スネアを用いたポリープ切除

ポリペクトミー内視鏡の先からスネアというループ状のワイヤーを出してポリープにかけて締め、高周波によってポリープを焼き切る手法で、切除手術中の出血を減らせます。

切除後の注意点

大腸ポリープ切除後の注意

大腸ポリープは通電によって焼き切られ、切除した部分は器具による縫合や出血予防がされています。手術痕は潰瘍状態になり、徐々に治癒していきます。ただし、強い腹圧や便の通過によって止血している器具が外れて出血を起こす可能性があります。また、遅発性穿孔といって切除後、しばらくしてから腸管に穴が開くなどの合併症が起こる可能性もあります。こうした合併症が起こった場合には、内視鏡による止血などの処置、あるいは入院による手術が必要になるケースもあります。
出血などの合併症はポリープ切除後7日以内に起こる可能性がありますので、その間は腹圧をかけないようにするなど、日常生活の制限を守ることが重要です。

大腸ポリープ切除後の生活について

切除後の1週間程度は、下記のことを心がけましょう。

食事

消化の悪いもの、香辛料など刺激の強いもの、アルコールを1週間程度は控えます

入浴

血行が良くなりすぎると出血リスクが高くなります。1週間程度は長時間の入浴を避けて、シャワー程度にとどめましょう。

運動

1週間程度はジョギングやゴルフ、テニスなどの運動は控えましょう。軽い散歩程度でしたら翌日から可能です。

旅行や出張

長時間の移動や運転は控えてください。また遠距離に移動されて、万が一合併症が起こった場合、適切な処置を受けるのが遅れてしまう可能性もありますので1週間は長距離移動を控えてください。

腹圧

1週間程度は、重いものを持つ、強くいきむ、腹部を締め付ける衣類などで腹圧がかからないようにしてください。

服薬

普段、飲んでいる薬がある方は、医師の指示を守って休薬・服薬してください。特に抗凝固薬、抗血小板薬については必ず医師の指示を守ってください。